紅型好きの方や、沖縄好きの方、紅型に興味のある人、お仕事でモノづくりしている人、デザインしている人等男性・女性・年齢幅広く集めました。
読み応えありますよー^^
お楽しみください。
『紅型作家 宮城友紀』さん
1981年福島県生まれ。2004年東北芸術工科大学テキスタイルコース卒業、来沖。
6月より知念績元先生のもと紅型を学ぶ。2011年4月より、夫の故郷、今帰仁村天底にて自身の自宅兼工房をはじめる。”やんばる”の自然にはまりそのひとつひとつに心踊らせ、制作を続けている。
◇着物用の反物を作るためにかかる日数
・型紙ができていて、配色も決めていたら、1ヶ月半で染められると思います。
◇一番難しい工程
・私には型置きがとても難しいです。もちろん一応できているのですが、柄のちょっとしたラインが崩れたり、生地によって、きれいに映らなかったりと毎度とても悩みます。
◇どんな時に絵柄のインスピレーションが湧きますか?
・不思議ですが、疲れた後、ふとしたときに目に映ったものが美しく感じて、見慣れたはずの景色にどきっとする。それを図案にしたいと、最近は思います。
◇作りたい作品のイメージはどのようなときに出来るものでしょうか。
・私は山や海のお散歩が好きで、時々家族や友達と歩きます。そこで出会う生き物や植物に感動してしまい、図案に込めたくなります。
◇伝統と創造とで苦心なされていることは
・オリジナルを染めていると、色が軽やかに染まっている気がします。たまに古典柄を染めさせてもらったりすると、色の力強さにハッとします。力強い色のオリジナル柄現代風を染められたら、かっこいいと思うのですが、まだ辿りつけません。
◇紅型作品を楽しむ際のアドバイス
・色にエネルギーをもらう。
◇紅型作家としての日々のルーティンなどあれば知りたいです。
・豆汁(ごじる)をしぼる→顔料を擦る(色作り)→染める→終業前に大豆を水につける。(大豆が乾燥したままだと、翌日豆汁を使えない、つまり染められない。
◇普段どんなことを考えながら制作されてるのでしょうか。
・染の作業中は、きれいにそなるか、色がしっかり繊維に入っているかを気にしながら染めています。
◇紅型を通して伝えたいことや、伝えたい人を知りたいです。
・最近はびんがたでやんばるの自然を描くことが増えました。自然が豊かであること、地元の人と分かち合いたいです。それを当たり前に思いつつ、心に響いているのだなということをびんがたを見ていただいて、共に感じたいです。また、同じように感じて昔の人が紅型にし、いま古典柄として残っています。誰ってわけではないですが、今も昔の日々や自然に感動している人がいることを思い出し、日常にびんがたで”美しさにハッとする瞬間”を思い出してもらえたら嬉しいです。
◇紅型じゃないと表現できないことは何ですか?
・紅型だけではないかもしれないのですが、紅型は沖縄の力強い日射しを表現できる気がします。
◇ライフステージの変化は作品に良い影響を与えますか?
・よくも悪くも与えます。良い方向に影響するように日々願います。
◇伝統と革新のバランスをどうとっていますか?
・伝統とは、今しているチャレンジしてしまった新しいことのこと。それが未来の古典になると思うのであまり気にしてはいませんが、オリジナル柄を作ったら古典柄の型紙を起こしたくなります。
◇やりたいことと求められること、どちらを大事にしていますか?
・私はどちらもとても大切です。求められる事は本当に嬉しいです。
◇好きな紅型の古典文様があればどんな文様ですか?その理由は?
・まだ挑戦していないのですが、大きな丸紋に花がいっぱい描かれている古典柄が大好きです。外間正幸のワイド版染色の美・琉球紅型で言うと36、37ページの稲妻に花の丸文様衣裳の柄が華やかで。私がまだ10代だったら、この柄の振袖をぜひ着てみたいです。
◇現代作品の中でのお気に入りの文様とその理由。
・城間栄市さんのびんがたに藍染を施した紅入り藍型。初めてきちんと認識した藍型で、それまで言葉では知っていたけれど、びんがた工房くんやの宜保さんとリエさんが染めている藍型をみ続けて、藍の型の美しさに気付きました。改めて、過去にみた栄市さんの作品が心の中で蘇り、憧れの作品となっていました。
◇紅型をやろうと思ったきっかけは何ですか?
・伝統工芸の手仕事が好きでした。漆とか和蝋燭とか。着物が好きでした。一生ものの仕事がしたいと、学生の頃みました。全国の伝統工芸の染色を調べたとき、絵を書くことも、実際に染める作業も全て1人の作家ができる、京友禅のような分業制ではなかったことが、人生いっぱいいっぱい使っても、決して到達する事はないだろうと思い、びんがた染めたいと思いました。
◇表現できる紅型の色は何色ありますか?
朱・赤・洋紅・黄・牡丹・桔梗・ブルー・灰・緑・藍
×
赤隈・紫隈・緑隈・ちゃ隈・藍隈・黒隈
普段私が呼んでいる、色の呼び名です。昔言葉ばかりでは無いですが。
色と隈取りの色との組み合わせでたくさんあります。
◇型作品を作る際に参考にしている、又は参考になったものはありますか?他の伝統文化など。
・器の柄ゆき、フラワーアレンジメントにモノのバランスの良さを感じます。
◇失礼になるかも知れないですが、趣味レベルで紅型を教わる事は出来ますか?
・私はまだ教室を開いておりませんが、浦添市の染千花さま、大阪の工房チリントゥで初心者 でいちからびんがたを学ぶことができます。
大阪の工房チリントゥはオンラインクラスも始めているので、特にオススメです。
◇紅型作家さんにとって一番大切だと思うスキルは何ですか?
・紅型に惚れ続けてしまうこと。
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