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インタビュー:金城宏次さん

-プロフィール-


沖縄市 (旧コザ 市)生まれ

沖縄県立芸術大学工芸専攻・染コース卒業

2010年 沖縄県工芸士に認定される。

地元コザ (沖縄市)を拠点に、伝統的な技を受け継ぎながらも、自ら生み出した独自の「透かし模様」の技と3枚型の「朧型」技法で「琉球紅型」を制作し続けています。

コザ が受容し発信する文化を表現したシリーズのコザの街並みやポーク缶・英字看板などのアートのエッセンスを加えた、新しい「琉球紅型」の世界観を開拓しています。



◆紅型制作の時、大事にしているこや想い。


大事−図案

型紙は「影」染地・「日向」の白地が彫られたモノクロの世界です。

彫りの前に図案作成があり意図するモチーフのスケッチから入ります。

1本のラインで描きつつも面で捉え、脳内でモノクロの世界に切り替えます。

学生時代、プリントSHOPで版下作りのバイトの経験もあってか、モノクロとネガの目で観察するようになりました。

型紙は「影」・「日向」のバランスが取れた構図を大事にしています。モチーフに寄っては「影」・「日向」を反転さた構図も掛け合わせます。

文様になるモチーフを大・中・小・極小に分け、風がぬけるような空白も意識し、リズム良く配置することに心がけています。

常に型とは? 図案とは?と唱えています。



想い–koza

20代後半で独立し、これまでは無かった新しい商品、コースターやTシャツなどにチャレンジしていました。

今日では、お土産品店・雑貨屋さんで良く見かける紅型作品は当時は少なく、特にコースターの花・昆虫・幾何文は毎日染め作業、

直に染めたTシャツの鯉・龍・牡丹の柄は良く売れました。

本当、飽き飽きしながらも(笑) 若かったから頑張れたんでしょう。

十数年前から、コザの街並み・ネオン、戦後食文化のポーク缶詰のパッケージをアレンジした作品などに注力し制作しています。

紅型作品に、横文字を入れたのは初めて?ではないかと思います。

コザで生まれ育み、若い頃プリントSHOPでの版下作りのアルバイト、振り返ればkozaシリーズ作品は必然的に生まれ、自分にしか出来ない紅型作品と言えます。

コザに工房を構え、20年近く経ち、今でも「琉球びんがた」を基礎に現代のニーズに合った作品を制作しています。

日々アイデアを探求し、独自の技法とデザインで、アートのエッセンスを加え、新たな「琉球びんがた」の世界観を開拓していきたい。



◆紅型で表現したいこと。

表現–重なり

紅型は「白地型」・「染地型」いずれも1枚型と2枚型の「朧型」があります。

「朧型」は染地型で染めた背景に、白地型を重ねた技法です。

2枚目の白地型が奥行きを作り、1枚目の染地型が立体的に浮き出るさまは、まるで絵画のような表現に魅了されます。

20年前から、光・ネオンの表現を試み「朧型」に注力し取り組んでいます。

画像 : ブーゲンビレア(朧型)作品は、花びらがステンドグラスのようなガラス質で透けたように見えます。

花びらの濃淡で奥行きに広がりを増し、背景からくる明りさえ感じられます。


ガラス質のような表現は、たくさんの「朧型」作品を経験して、美しく重なる小さな模様(部分)に気づき応用した独自の技法です。

歴史ある「古紅型」にも見覚えがなく、おそらく初めて?の技法でしょう。

今日では更に奥行きに広がりを求め、複雑な3枚型の「朧型」にチャレンジしています。

意図する表現ができるのか?この難しい技法を日々考察しています。



◆自身の紅型の押し・魅力。

押し–古典

「古紅型」は顔料による鮮やかな色彩が目を引きます。

文様を注視しすると、沖縄にない雪輪や枝垂れ桜、牡丹、萩などの文様を多く見かけます。

四季にとらわれない、自由で大らかな文様構成と多彩で大胆と言える配色は、紅型ならではのものです。

独立した頃、首里の県立博物館へ「古紅型衣装」の色調・配色をガラス越しに良く観に行きました。

当時は、紅型の本・資料が手元になく本物を直視することが、創作する上で大事にしてる事でした。

今でも、紅型作品集・資料等は欠かせなく、文様の構成と顔料の色調・配色は「古紅型」から学ぶことが多々あります。

今でもボロボロに壊れた、ワイド版染織の美「琉球紅型」に助けられています。



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