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染色芸術家 

根路銘まり

根路銘まり

私は、沖縄の伝統工芸「紅型」に用いられる型染・糊防染という技法を用いて制作しており、伝統技法の洗練された美しさを残しながら、それを独自の感覚と融合させ、現代的な新しい伝統の形を創造しています。日本の神話、伝説、祭祀からインスピレーションを得て、それらに自身の解釈を織り交ぜて創作活動をしています。作品の中には、私が日々を生きる中で感じる、人の力でコントロールすることのできない自然への崇拝と畏れ、人の心の奥底に秘めた感情、生命の根源と死の神秘を神話と結びつけて表現しています。さらに、全ての物事に良い面と悪い面があるように、神の霊魂にも優しく温厚な和御魂(にぎみたま)、荒ぶる猛々しい荒御魂(あらみたま)の二つの面があり、私の作品にも必ずこの相反する二つの面が描かれています。

「紅型」とは沖縄を代表する伝統工芸であり、琉球王朝時代に確立しました。多彩な顔料を用いた色鮮やかな色彩が特徴です。私はそれを墨という色材と組み合わせて染色作業を行います。墨の深みのある漆黒と顔料の鮮やかな色彩、そして染料の透明感が私の作品に独自の世界を創り出しています。

日本の工芸美術には陶器の飾り壺や漆の飾り盆の様に、最高級の物は実生活で使うのではなく、特別な場所に飾って鑑賞するという文化があります。私も「飾衣裳」という概念をもとに着ることを前提としない絵画としての着物を制作しております。

私の作品は全て神話や伝説、空想や夢など異空間への入り口として制作しています。

私の作品の前に立った時、そこからどの様な世界に飛んでいくのか、それは作品を見る人の自由な想像に委ねられます。

 

主な経歴

2016年4月〜2019年3月 ロシア留学
2017年4月 ロシア日本文化フェスティバル "日の出" 出店
2017年8月 ロシア日本文化フェスティバル J-fest  出店
2018年4月 ロシア日本文化フェスティバル "日の出" 出店
2018年8月 ロシア日本文化フェスティバル J-fest  出店
2019年3月 沖縄県立芸術大学 美術工芸学部 デザイン工芸学科 工芸専攻 染め分野

                  卒業
2019年5月 作品《天照大御神》第41回 日本新工芸展 上野の森武術感奨励賞 受賞
2019年5月 作品《天照大御神》第41回 日本新工芸展 全国巡回展に選出
2019年5月 第一回 日本文化フェスティバル KOMOREBI 出店、ゲスト出演
2019年6月 サンクトペテルブルク エラーギン国立公園博物館 作品展示
2019年6月 サンクトペテルブルク マリーノ邸宅 作品展示
2019年6月 サンクトペテルブルク フラワーパレード 出演
2019年7月 ロシア日本文化フェスティバルJ-fest 出店
2020年2月 スイス日本文化フェステバル Japan Impact 招待 

                  作品展示・和文化体験 講師
2020年4月 沖縄県立芸術大学院 造形芸術研究科 生活造形専攻 工芸専修 入学
2020年7月 三菱商事アート・ゲートプログラム奨学生 入選
2021年5月 作品《月讀命》第43回 日本新工芸展 入選
2021年5月 作品《神生み》第1回 日本和文化グランプリ 一般の部

                  最終選考ノミネート

 

 

https://www.marinerome.com/

作品紹介

神生み

◆紅型の作業工程で好きな作業は?

染色工程が終わった後、糊を洗いおとすための水元という作業です。糊が落ち、糊があったところに白い線ができ、柄がはっきりと見えるようになるので、今までやってきた作業の成果を初めて目の当たりにすることができます。また、水の中で染めた反物がゆらゆらと揺れ、自然光に照らされてキラキラと光るのを見ていると、とても心地よい気分になります。寒い日、雨の日などは少し大変ですが、それでも一番楽しく、好きな工程です。
他にも、やはり色を挿していく工程は好きです。顔料をといた豆汁の匂い、刷毛が生地に擦れる音が心地よく、最初の配色は淡く、二度刷りで濃く染まっていく生地を見ていると段々と完成図に近づいてきてワクワクします。

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